ヒロイック・エイジ ・・・ 11点

ぼろ泣き。マジぼろ泣き。
10点満点中異例の11点突破。完璧すぎる。
グレンラガンに「動」の傑作だと言ったのはコレがあったから。こちらは「静」の傑作です。
あの蒼穹のファフナーの後半と特別編を完璧なまでの傑作に仕上げた冲方 丁が、全編つくったらどうなるのか。そんな期待を込めてみてましたが、まさかこんなすばらしい作品になるとはおもわなかった。
きっとキャラデザとかで切った人も結構いたんじゃなかろうか、オリンシスとか微妙すぎたらしいから。
もったいないといわざるをえない。最後の最後の一瞬まで完璧だった脚本なんて見たの初めてかもしれない。
序盤はたしかにちょっとは退屈だった人もいただろう。中盤はバトルばっかりだったからだれた人もいたかもしれない。だが、だがそこであきらめなかった人には震え上がるような「物語が収束していく爽快感」があったはずだと俺はおもう。
作画のクオリティは常に平均異常を保ってたからそんなに文句はない。
演出に関してはもうお前らわかりすぎてるだろとスタッフに言いたくなってしまうくらいに完璧だった。1クール折り返しあたりの姫様のEDとか、あのへんのじわじわ来る度はすごかったし、そこからの展開は怒涛だった。
毎週鳥肌たちっぱなし。
そして先週の強烈な戦いの決着を、まさか今回の最後があんな素敵な演出で上回るとは思わなかった。
音楽がとまった瞬間からもうやばかった。黄金の種族が訪れた最後の星の意味があそこで出た瞬間その物語の完成度に戦慄し、あとはもうエイジの声で
ぼろぼろ。


確かにお話はちょっとわかりづらいかもしれない。小難しいと感じちゃう人もいるはず。でもしっかり話を聞いて理解していくと、この話がとんでもない壮大なスケールのものだったのがよくわかるし、ちゃんと通してみていくと前々からはられてた伏線がしっかり回収されてるのがよくわかる。


戦争になるようなことを動機付けにしてしまった黄金の種族の意図を理解するのは確かに難しいんだけど、グレンラガンがそうだったように、何かの想いを持って戦うことが前に進むための動機になる、って判断は間違っていなかったのかもしれない。人類の道を切り開くために、アルゴノートが新たなスターウェーを見つけてオロンにたどり着くこともなければ、銀の種族は黄金の種族の意図に気づくこともなく、またこの宇宙の種族が自ら発展していくこともなかったかもしれない。そういう意味で、それを理解したうえで未来を予知し、この戦いを意図的に残していったと思うと黄金とんでもないなあ……


ともあれこの半年間。非常に楽しかった。きらなくて良かった。本当によかった。
グレンラガンと違って勢いはなく、淡々と話が進んだ感はあるけど、きっちり描写して、面白い話にして、最高の作品を作るという点ではアルゴノートクルーは本当にいい仕事したと言わざるをえない。


追記
ちなみに最後のあのシーンは12の契約を最後までちゃんと果たした結果だってみんな気づいたかな?
ノドスの契約って全部が黄金の種族の遺産の布石になってたけど、エイジの12個目だけは、エリュシオンの門が開いたときでも果たされてなかった。
それを果たした結果として、あの結果があるわけ。
あそこでエイジが消えた時点で、エイジを死んだとみなして契約を破棄してもよかったんだけど、それをしないで12個目を達成したことで、11個目の新ではならないって契約が生きて、エイジが戻ってくるためにゲートが開くと。
ここまで綿密に練りこまれた話の完成度の高さにただただ脱帽するしかないんだよ……